新年山行 城ヶ崎 玄岳(799,2 m)報告

日程

2009年1月24・25日(土・日)

行程 24日
J東京駅8:16―<東海道本線>―熱海10:06 10:11(伊豆急)―伊豆高原11:09
伊豆高原駅スタート11:20⇒城ヶ崎海岸自然研究路自然探索⇒蓮着寺⇒伊豆高原三機工業保養所(泊)
25日 
保養所8:30―(タクシー)―伊豆高原9:03―熱海駅9:52 東口10:05(伊豆東海バスひばりヶ丘行き)―玄岳ハイクコース入口下車10:23⇒玄岳登山口⇒熱海新道11:28⇒氷ガ池分岐⇒玄岳山頂12:10⇒氷ガ池(昼食)発13:20⇒氷ガ池分岐⇒登山口14:32⇒バス停14:46 15:10―バスー熱海駅(15:26) ―熱海―駅前温泉浴場で反省会―解散   (歩行時間3時間30分、標高差 約 600 m)
参加者 大西、片山、喜多、染谷、高橋、辻橋、富田、中澤、永田、中村、福原、山本 岡田 以上13名 
係り 中澤、辻橋
記録 岡田

1月24日(土、晴れ)
 伊豆急・伊豆高原駅に降り立った初日参加メンバー11名(大西、片山、喜多、染谷、辻橋、富田、中澤、永田、中村、山本、岡田)は、やまもプラザショッピングモールで「つぼ焼きさざえめし」「さんま寿司」「とろ金目鯛の塩焼き弁当」と、それぞれおいしい駅弁を買って城ヶ崎海岸自然研究路に向かう。新年初山行ということで少し歩いたPで代表の永田さんの挨拶、初参加の冨田さんの紹介。沿道にはイカやキンメ、アジの干物が干してあり、家々の庭先には特産品の柑橘類が目に付く。今回は南から歩くので、まず八幡野漁港へ。海風にのって磯の香りがしてくる。港にはイカ釣り漁船が停泊。城ヶ崎海岸は天城山、大室山の噴火で流れ出した溶岩が相模灘に達した典型的なリアス式海岸で切り立った断崖が続く。今回のコースは八幡野港〜海の吊り橋〜橋立〜俎岩〜灯明台〜蓮着寺と約6kmで所要3時間。ただの散策路と思って来たのに、入り江や岬をくねくねと廻る山道歩きは意外と起伏があってあなどれない。海浜性の木々が多く、リスの姿、そして野鳥の声も聞こえてくる。立派な松が防風林の役をはたし、マツクイムシ予防のパイプが目に付く。いよいよ研究路のいちばんの見所「橋立吊橋」へ。下部の海蝕崖はフリークライミングエリア。ここはクラック開拓発祥の地。右岸の“ファザークラック”は山岳会の会員でもあったガイドのN氏が1年ほど前、講習会中にカムがはずれ、グランドフォールして亡くなった場所だが土曜日とあって元気なクライマーが群がっていた。


海の吊り橋


クライマーの声が響く

 そろそろお腹がすいてきてお昼とする。波打ち際に降りられるようになっているので階段を降りて、それぞれ岩場にすわり、お楽しみのお弁当を広げる。東向きの海岸なので日当たりがよく、大海原の向こうの大島など、伊豆の島々をのんびり眺めながら昼食。前方には汐溜まりの大淀・小淀。先には変化に富んだ柱状節理の沖の島が見える。釣り人もいて海水がきれいだ。ここの黒い亀甲状石(安山岩)はすべりやすく要注意。
まだまだ3分の1、先を急ぐ。 ポイントに「橋立」」「ばったり」「とよ」「てんぐのはな」「いがいが根」など地名がついていて面白い。これは江戸時代から行われていたボラ漁の漁師たちが名づけたものとか。「ばったり」は旅人がばったりと倒れたところから、「いがいが根」はその名のとおり、ごつごつした岩の絶壁。その「いがいが根」にやっと到着。解説を書いた看板を読む。「城ヶ崎海岸は3700年前の大室山の噴火によってつくられたリアス式海岸…云々。」断崖絶壁に荒波が当たって砕け、ド、ドォーンと大迫力。ここで大休憩をして終点の蓮着寺へ向かう。


リアス式海岸が続く


いがいが根、向かいは大島

 蓮着寺(山号は俎岩山)は1261年(弘長元年)、日蓮が鎌倉幕府によって伊豆に配流された時、船から降ろされた場所がこの地の海中にある俎岩だといわれ、その近くに建立されたとか。寺には樹齢1000年を超えるヤマモモの大木や、石喰いモチの木があり、妙法地蔵尊はおさすりすれば、ぼけ除けにご利益あるとかで、メンバーはお賽銭を入れ熱心におさすりを…。ここを出た途中の伊豆海洋公園では「日本一早い城ヶ崎桜まつり」を開催中でカンザクラのピンク、菜の花の黄色、アロエの花の赤でにぎやか。

ほぼ定刻どおり保養所に到着。天然かけ流しの贅沢な温泉につかり、宿に直行した福原さんを含め12名で夕食開始。新鮮なお刺身盛り合わせ、お鍋、ヒラメのかぶら蒸し、てんぷら、さざえ、エビ、里芋の団子揚げと豪華な食事、剣菱のあらばしり(ほどよい辛口)やワインで豪勢なこと!!おいしいお水類は、12名で…ビール大瓶2ダース、一升瓶1本、一合瓶16本、ワイン2本とまあまあ。食後はお決まりのカラオケルームへ。アラカン(還)世代のメンバーが青春時代の歌の数々を熱唱する。

1月25日(日、晴れ) <玄岳(くろだけ)登頂〜氷ヶ池(こおりがいけ)トレッキングへ>
朝の支度をしていると干物を焼くいいにおい。朝食は鯵の干物、ちりめんじゃこ、玉子焼き、きんぴら、ふろふき大根。デザートは新鮮な苺。片山さんは所用のため早朝帰京。中澤さんが頼んでくださったお土産の鯵の干物を各々ザックに入れて8:00タクシーで出発。伊豆高原駅から伊豆急行で伊東、そして熱海駅へ。山行に参加しない中澤さん、福原さんが帰京し、改札で玄岳参加の高橋さんが合流。熱海駅前A番ひばりガ丘行き10:04発の路線バスに大西、喜多、染谷、高橋、辻橋、富田、永田、中村、山本 岡田の10名が乗り込んだ。駅周辺ではすでに“熱海桜”が三分咲き。日曜とあって海岸沿いの“お宮の松”には朝から観光客。海面が朝日に反射してまぶしい。熱海から西南に位置する玄岳。そこからは富士山をはじめ駿河湾から相模湾まで360度の展望が得られるという。雲ひとつない青空で絶景が楽しめそうだ。温泉街を抜けて20分で玄岳ハイク入口着。バス停の道の脇に『玄岳ハイクコース入口360度の大パノラマ 雄大な富士の展望』という立派な看板が立っており、期待に胸が膨らむ。身支度を整え、斜度のきついアスファルトの住宅地の道を登り始める。ここから山頂までは標高差600m。20分ほど歩くと登山口へ。竹林とヒノキの植林が続き、間もなく雑木林に変わる。やがて「緑の風は心の詩」と書かれた看板。そしてちょっと興ざめの熱海新道をまたぎ、「才槌の洞」と呼ばれる場所を過ぎ、赤土の急登となる。今度は「緑のシャワーでリフレッシュ」という看板が現れた。ひと登りして熱海・相模湾〜中央に真鶴半島が見える場所に出た。遥か下に熱海の温泉街。先客の一団がいたのでそこを通過して山頂に向かう。


玄岳山頂


玄岳山頂・富士山をバックに

氷ヶ池との分岐を過ぎると、「うわぁ〜!さすが富士山!」と歓声があがった 文部省唱歌の「富士山」は「青空高くそびえ立ち〜、からだに雪の着物着て〜、霞のすそを遠くひく〜、富士は日本一の山」だが、その歌のとおりの純白の日本一の富士山が突然、ドカッと現れた。優美な姿だが、この方角からは宝永山の噴火口が正面となり、猛々しい富士山としての一面もうかがえ、ド迫力。


素晴らしい眺めの中を下る

 熱海火山外輪山の主峰、玄岳。標高799メートルの低山だが、気持ちの良い笹原の頂上から、富士山をはじめ愛鷹山、南アルプス、箱根、丹沢、天城連峰、紺碧の駿河湾と相模湾、そして、かなたには初島、大島と抜群の展望が広がり、まさに絶景。この日は抜けるような青空で、低空もかすんでおらず、恐竜の背のような沼津アルプスも見え、飽きることなく眺望を楽しむ。風が強いので食事は氷ヶ池とし、山頂から氷ヶ池に向かう。斜面は所々凍っていたり、霜柱の溶けた道が滑りやすく、コース脇に張ってあるロープを頼りに用心しながら下る。氷ガ池は澄んでおり、春がくればおたまじゃくしがいっぱいいそうだ。風を避けて木陰の陽だまりで、またまたおいしい駅弁を広げて昼食。そして、分岐まで戻り、往路をたどり、15:10のバスに乗り熱海駅に出て解散とする。有志8名はここから駅前温泉浴場2階に向かい、たのしい“反省会”。係りの中澤さん、いろいろお世話になりました。平成21年度、新年山行、「城ヶ崎と熱海・玄岳」は天候に恵まれ、感動のあるすばらしい初山行であった。

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